神々の謡 上演基金
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第4回 2013年9月19日(木)

今年も9月18日、知里幸恵さんの命日に
幸恵さんの亡くなった金田一先生のお宅の隣に立てられた本郷ルーテル教会にて、
「アイヌ神謡集」の著者 知里幸恵さんの召天記念日「第4回 シロカニペ祭」を行いました。

毎年、幸恵さんの亡くなった日に、亡くなった地で、亡くなった時刻に皆さんと一緒に
幸恵さんの言葉、想いに想いを馳せる、このシロカニペ祭。
今回は64名の方が参加して下さいました。
(会場では間違えて54名とお知らせしてしまいました。すみません!)
19時から始まり、アイヌ神謡集の「序」を朗読させていただき、
毎回1話ずつ「アイヌ神謡集」からご紹介させていただいている朗読芝居は、
狐が自ら歌った謡「トワトワト」を口演させていただきました。

今回は、どんなテーマでこのシロカニペ祭を迎えようか、自分の中で考えているときに、
今年は「アイヌ神謡集」出版90年という記念すべき年であり、
また、私自身、ニュージーランドのマオリ族の方のお話を聞く機会があり
「言葉」というものについて色々と考えさせられ、
片山龍峯さんの「アイヌ神謡集を読みとく」という本を改めて読み直していました。
そこには、
アイヌ神謡集で幸恵さんは、消えるかもしれない危機に瀕したアイヌ語を書きとめ、
一人でも多くの人にアイヌ語を読んでもらいたいと願っていた、
それなのに、出版されてから今まで肝心のアイヌ語はほとんど読まれずにきたのではないか
と書いてありました。
わたしはそれを改めて読んで「はっ」としましました。
それで今回は「トワトワト」をアイヌ語でも挑戦してみようと決めました。
この「アイヌ神謡集を読み解く」という本と中本ムツ子さんがうたっている
「アイヌ神謡集をうたう」というCDを参考にさせていただき、
「トワトワト」をうたわせていただきました。本当にヘタッピで、お聞き苦しかったとは思いますが、
これを期に、ローマ字で書かれたアイヌ語のほうにも目を向けていただき、
口ずさんでもらえたら嬉しいです。
「トワトワト」の後に、今回のゲスト いわさききょうこさんのミニコンサート。

知里幸恵さんの生涯を描いた舞台「神々の謡」の曲を唄ってくれました。
幸恵さんが好きで歌っていたという「赤とんぼ」を参加者の皆さんとうたいました。
なんだか涙が出そうになるくらい素敵で、
幸恵さんも一緒に歌ってくれているような気がしました。

コンサートの後は、本郷ルーテル教会安井牧師のお話
幸恵さんが東京で書いた日記の中には、多くの聖書の言葉がかかれています。
その日記の中から紹介して下さるのですが、その言葉が実にすっと胸に響くのです。
今回は6月8日の日記から
「なんぢ施済をする時、右の手の為すことを左の手に知らすることなかれ。
かくするは、其の施 済のかくれん為なり。
然ば、かくれたるに見給ふ汝の父は明顕に報ひたまふべし。」という言葉についてお話くださいました。
そして、幸恵さんの旅立たれた20時30分 みんなで、幸恵さんに お祈りをし、献花をしました。
今回も本当にあたたかい素敵な時を過ごすことができました。
幸恵さんが90年前に夢見た世界に、少しでも早くこの世界がなりますように。。。。。。
一人でも多くの方に、知里幸恵さんを知っていただけますように。。。。。
今回参加して下さった皆様、今回参加できなかったけれど、想いを馳せて下さった皆様
本当にありがとうございました。来年のシロカニペ祭もよろしくお願いします。


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